動画生成AI「和泉繭、キャリアアップへの道」(AIの登場人物に対して「情」は沸くのか?)再アップ版

キャリアアップ

今回はAIの人物に対して、鑑賞者の心中に「情動」を発生させられるか否かのテストです。
これは、個別ショットのクオリティが担保する顔の造作の愛らしさや表情の細やかさに対して生じる「瞬間的な点」のような関心のことではなく(前回の実験の主旨はそちらに近かったかと思います)、AIキャラクターの人格(のようなもの)に対する「継続性のある線」のような「情動」を指します。

仮にこういった類いの情動を発生させ得るとなった場合、現状KLING1.6の唯一にして最大の弱点である「リップを取ると映像がパラつく(観ていて正気づく=存在が機械的なものだと再認識して冷める)」という現象の打破にも繋がるはずです。
そのことが翻って「窓辺系」及び「ソフトストーリー派」の脚本家志望者の皆さんがギョーカイ仕事特有のキャリア形成の初期プロセスを飛び越え、AIを使っての自作の具現化(いきなり監督になってしまい、そこから「脚本家としてのキャリア」を再スタートさせる)を試みる際にも「リップに頼らないドラマスタイルへの模索」という新たな道筋の発見へと繋がっていくのではないかと考えている次第です。

従って「今回の和泉繭」に対して、ほんの一瞬でも「不憫さ」や「健気さ」「愛らしさ」といった応援感情、また「滑稽さ」や「不安さ」或いは「心配になる」等の「知人に対する感情移入に近い情動」が発生するようでしたら、今回の実験はとりあえず成功となります。

留意したポイントは、大きく4つです。
1.個々のカットに於ける「顔の造作の一貫性」を保つことができるか(元画像の整合性)
2. 全カットのモンタージュを通じて「ひとりの人間(同一人物)」だと感じさせられるか(動画同士の連携による整合性と情緒の醸造)
3. モノローグ風のキャプションによる誘導で、どこまで実存への連携を「違和感なく」認識させられるか(画面外に存在する和泉繭への信頼性と情緒の醸造)
4. 各ショット内で、今後の実写ドラマスタイルへの応用可能なシチュエーションをどこまで探れるか
(例.2Hロケに於ける「岬のくだり」の再現性、スタジオ収録バラエティでの「マルチ」の可能性etc. 現状は全ショット「和泉繭の片面押し」で進めていますが、一部、和泉繭の近似した個別ショットを「直結と反復」させることにより「切り返し」の可能性を探っています。例えばバラエティのくだりは3カット積んでいるわけですが、個別に生成したショット群であるにも関わらず「同一セット番組としての認知」が可能な範疇の「背景美術の差異」に収まっている印象なので、MCへの切り返し、ひな壇芸人とのカットバック等であれば、現時点でも充分成立させられるのではないかと感じています)

なお、作業工程はこれまでと変わりません。
まずはGoogleのImageFXで元画像を生成し、それらを動画生成AI(今回はKLING1.6)で動画にしたものをDaVinciResolveで編集、グレーディング、整音しています。

また今回は、背景美術や衣裳の繋がりは度外視し、ひとつのカット=ひとつのシチュエーションとなるように流れを組んでいます。その分、ひとシチュエーションごとに同じ顔(正確には近似した顔)が出てくるまで画像生成を繰り返し、動画として直結してもなるべく違和感がないようなものをチョイスしました(静止画の捨てカット数は過去最多ですw)。

そのため事前にメモや構成表、プロットや脚本等は用意せず、画像同士の「顔の近似性」を最優先に「展開やキャプションの文言」を組み立てています。
ただし「保険としての夢オチ」に関しては、確定はせずとも念頭には置いて作業を始めました。これは和泉繭のキャリアアップの行程がギョーカイネタの反復に終始するリスクを回避するためです。
また、どこかで飛躍が必要になったとき、これまた無秩序な反復に終始しては意味がないので「直角的に終わらせる機能」として片隅にイメージしておいた、という感じです。その点だけ意識しつつ、あとはその場その場の思いつきでどんどん画像を生成しつづけながらタイムライン上で意味性を組み立てていきました。

ちなみに中間部の「新幹線のくだり」の音声作業についてですが、以前、仕事で京都に行った際の帰り際にiPhoneで録音した「車内からの走行音」をベースノイズとして敷いたうえで(事前にiZotopeのRX10で不要なノイズはカットしています)、ArtListのSoundeffectsの中から「ため息」「伸び(ストレッチ)の声」「咳き込み」等をすべてFemaleと指定して出てきた物の中からチョイスし、使用しています。

今回の解説は以上です。
(※本編中の字幕に一部「脱字」があったため、修正し再アップしました。最初のバージョンに「いいね!」を押してくださった方々、ありがとうございました!そして、大変申し訳ありませんでした!m(_ _)m)

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